
それは時を重ねた今も根づいて、花を咲かす。
過ぎたあの日の光景が、
この一杯とともに開花する。
アルコール分 10.9%
シラー 100%
日本ワイン
味わい
濁ったルビー色。ブラックベリー・ダークチェリー・干しいちじく、また穀物やナッツ類の香り。口に含むと甘酸っぱいベリーの酸味とほどよいタンニン、樽感とシラーのスパイシー感も加わり、肉料理や煮込み、キムチ鍋と良く合います。
醸造法
ぶどうを2つに分け、半分は除梗、半分はホーロータンクで2週間マセラシオン。2日間ピジャージュののち取り出して搾汁。樽発酵・熟成。澄剤・フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。
※全房=ぶどうの果皮、種子、果肉、梗(柄)を一緒に醸すこと。
※除梗=ぶどうの房から梗の部分を取り除くこと。
※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。
ぶどうのこと
ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたシラーを使用しています。2022年は天候に恵まれぶどうの状態が非常によく、9月中旬に収穫しました。初めてのシラー100%自社醸造のワインです。
ワインラベルのこと
小学校からの帰り道のことでした。道べりに咲いていた紫陽花の美しさに目を奪われて、思わず立ち止まり、手を伸ばしたことがあります。そこで持ち帰ったひと枝は、私が初めて挿し木をしたものであり、今でも自宅で脈々と生命を繋ぎつづけ、梅雨の季節になると満開の花を咲かせます。このワインもまた、あの日の紫陽花のように、心をゆらす存在で在り続けたいという願いを込めています。折しも、娘が描いた絵が紫陽花を彷彿とさせる仕上がりとなりました。彼女が成長して大人になったとき、子どもの頃の自分が描いたその花が、いつまでも咲き誇っていられるように、GRAPE SHIPを象徴するワインとして、これからもつくり続けていきたいという想いも込めています。
船穂の大地、太陽の恵み
私達は、岡山県倉敷市の船穂町鶏尾地区で、マスカット・オブ・アレキサンドリアという品種のぶどうを栽培しています。土はさらさらでもなく、かといってネバネバもしていない。ちょうどその中間のほろほろ、砂じょう土と呼ばれる水はけの良い土質が特徴です。決して収穫量は多くはありませんが、実の中に甘みと香りがぎゅぎゅっと凝縮された美味しいぶどうが育ちます。「晴れの国」とも言われるほどに、雨が少ない岡山県。日照時間とその光量も日本随一。食用ぶどうの産地としてはこれ以上の良い土地はなかなかありません。しかし、近年には栽培を断念する農家が増加し、放棄されたぶどうの温室が目立つようになりました。せっかくの素晴らしい場所と設備をこのまま放っておく手はありません。そこで、使わなくなった温室を借り受けて、ワイン用ぶどうの有機栽培を開始。2021年には醸造所も完成しました。瀬戸内海をのぞむ、風通しの良い、南向きの丘で育まれたぶどうは天下一品。この大地と瀬戸内の太陽の恵みがあるからこそ、他に類をみないぶどうが生まれるのです。
GRAPE SHIPワインを
美味しく味わうために
醸造では、ワイン本来の香りや味わいを最大限に引き出すため、「無濾過」で瓶詰めをしています。そのためボトルの中には大小の澱や濁りが含まれます。これらはワインに旨味が詰まっていることの印であり「美味しさが見える」状態であると言えます。大きい澱が多く見られるワインもございますが、すべてぶどう由来の成分や酵母が固着したもので、ご飲用いただいても問題はございません。気になる場合は瓶底に静かに沈めて、澱が入らないようにゆっくりとグラスにワインを注ぎお楽しみください。
GRAPE SHIPのナチュラルワインは、製造から販売まで温度管理しております。お買い上げ後は気温の変化などによる品質の劣化を防ぐために、14度以下の冷暗所で、ボトルを立てたまま保管するのがおすすめです。ワインセラーがないご家庭では、冷蔵庫の野菜室で保管すると、美味しく味わえる期間をより長く保つことができます。
松井一智
/ Kazunori Matsui
GRAPE SHIP株式会社代表、ヴィニュロン(ぶどう栽培兼ワイン醸造農家)。関西でフレンチシェフとして働いている際に、ワインと料理の研究のため渡仏。現地でナチュラルワインの世界を探求、感銘を受ける。帰国後、醸造家になることを目指し、地元岡山県倉敷市船穂町で130年の歴史を誇るマスカット・オブ・アレキサンドリアの生産を学ぶ。2012年新規就農。2017年ワイン醸造家の大岡弘武さんのワイナリー立ち上げに従事。同年、ワイン用のマスカット・オブ・アレキサンドリアの収穫に成功。2019年初めてのナチュラルワイン「M」が完成する。2021年GRAPE SHIP株式会社を設立し、醸造所が完成。自社醸造開始。