ワイン
夏の夢たる果実酒。
待望の全国発売。
「mellow 2022
ブルーラベル」
内容量 750ml
アルコール分 7.5%
マスカット・オブ・アレキサンドリア 100%
日本ワイン

味わい

色調はややにごった薄茶色。洋ナシやレモン、カリンの香り。あんずや栗、紅茶や白コショウ。滑らかな口当たりのなかに、ほのかなタンニンとにがみ。すこし粘性があり口の中に心地よい余韻が残ります。しっかりとした酸と優しい泡を感じることができる、夏にぴったりなさわやかな仕上がりとなりました。

醸造法

ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたマスカット・オブ・アレキサンドリア。夏~冬にかけて収穫時期をずらしたぶどうのみを使用。全房で14日間マセラシオンしたアレキサンドリア50%。全除梗で粒だけを14日間スキンコンタクトをしたアレキサンドリア25%。11月末に収穫しダイレクトプレスした遅摘みのアレキサンドリア25%を樽での熟成後、アッサンブラ―ジュして5月に瓶詰め。清澄剤、フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。
※マセラシオン=ぶどうを漬け込んでワインを醸造すること。 ※除梗=ぶどうの実と実をつなぐ房の部分を取り除くこと。 ※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。

ぶどうのこと

GRAPE SHIPの二回目の醸造となる2022年は、梅雨の期間が短かったため例年になく天気が良く、健全なぶどうができました。豊作だったからこそ、醸造法をいくつか試みたり、収穫の時期をずらすなど、ぶどうがたくさんあることで、できることにチャレンジをした年になりました。これまでリリースしたmellowイエローラベルは夏にぴったりで、ありがたいことに多くの方に手に取っていただいております。昨年と醸造法を変えず、九月初旬に収穫して、酸の乗ったライトなワインに仕上げました。mellowブルーラベルは昨年、岡山限定販売でしたが、皆様から要望を多く頂き全国販売をすることになりました。このワインは今後、私たちのチャレンジワインとしてリリースしていく予定です。今年は昨年とは全然違う味わいの、スティルワインに仕上げました。毎年違った味をお届けしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。ワインを通じてマスカットオブアレキサンドリアの可能性をもっと広めていきたい、多くの人に知ってほしい。そんな想いをこめてワイン造りに今後も取り組んでまいります。

名前のこと

子どもの頃によく飲んでいた炭酸飲料。シトラスの味わいに衝撃をうけた飲み物に、「メロー」という言葉が使われたものがありました。大人になっても忘れられないほど、思い出に残っています。私が醸したこのワインも、「またあのワインが飲みたい」と思い出してもらえたならと願ってやみません。この言葉は、果物が熟している様子、香りや甘みが豊かな様子、或いはお酒を飲んで陽気になったり、寛いだ気持ちになることも意味します。このワインを手にとってくれた人の思い出に残ってほしい。熟したぶどうから生まれたワインを飲んで陽気な気持ちになり、寛いだ時間を過ごしてほしい。そんな想いをこめて「mellow」と名付けました。

ワインラベルのこと

ラベルのデザインは、「朱」に引き続き、アートスペース油亀さんにお願いしました。私の娘を描いたこのラベルには、「見守る」という意味が込められています。手に持つスコープで、彼女は様々な光景を見守っています。ぶどう畑の様子、ワインの醸造の様子、ワインを飲んで楽しんでいる人の様子。名前の通り、たくさんの人々が「mellow」な気持ちになっているか。陽気になって寛いで、心地よい時間を過ごしているかを、スコープを通して見守っています。

船穂の大地、太陽の恵み

私達は、岡山県倉敷市の船穂町鶏尾地区で、マスカット・オブ・アレキサンドリアという品種のぶどうを栽培しています。土はさらさらでもなく、かといってネバネバもしていない。ちょうどその中間のほろほろ、砂じょう土と呼ばれる水はけの良い土質が特徴です。決して収穫量は多くはありませんが、実の中に甘みと香りがぎゅぎゅっと凝縮された美味しいぶどうが育ちます。「晴れの国」とも言われるほどに、雨が少ない岡山県。日照時間とその光量も日本随一。食用ぶどうの産地としてはこれ以上の良い土地はなかなかありません。しかし、近年には栽培を断念する農家が増加し、放棄されたぶどうの温室が目立つようになりました。せっかくの素晴らしい場所と設備をこのまま放っておく手はありません。そこで、使わなくなった温室を借り受けて、ワイン用ぶどうの有機栽培を開始。2021年には醸造所も完成しました。瀬戸内海をのぞむ、風通しの良い、南向きの丘で育まれたぶどうは天下一品。この大地と瀬戸内の太陽の恵みがあるからこそ、他に類をみないぶどうが生まれるのです。

GRAPE SHIPワインを
美味しく味わうために

醸造では、ワイン本来の香りや味わいを最大限に引き出すため、「無濾過」で瓶詰めをしています。そのためボトルの中には大小の澱や濁りが含まれます。これらはワインに旨みが詰まっていることの印であり「美味しさが見える」状態であると言えます。大きい澱が多く見られるワインもございますが、すべてぶどう由来の成分や酵母が固着したもので、ご飲用いただいても問題はございません。気になる場合は瓶底に静かに沈めて、澱が入らないようにゆっくりとグラスにワインを注ぎお楽しみください。
GRAPE SHIPのナチュラルワインは、製造から販売まで温度管理しております。お買い上げ後は気温の変化などによる品質の劣化を防ぐために、14度以下の冷暗所で、ボトルを立てたまま保管するのがおすすめです。ワインセラーがないご家庭では、冷蔵庫の野菜室で保管すると、美味しく味わえる期間をより長く保つことができます。

松井一智
/ Kazunori Matsui

GRAPE SHIP株式会社代表、ヴィニュロン(ぶどう栽培兼ワイン醸造農家)。関西でフレンチシェフとして働いている際に、ワインと料理の研究のため渡仏。現地でナチュラルワインの世界を探求、感銘を受ける。帰国後、醸造家になることを目指し、地元岡山県倉敷市船穂町で130年の歴史を誇るマスカット・オブ・アレキサンドリアの生産を学ぶ。2012年新規就農。2017 年ワイン醸造家の大岡弘武さんのワイナリー立ち上げに従事。同年、ワイン用のマスカット・オブ・アレキサンドリアの収穫に成功。2019年初めてのナチュラルワイン「M」が完成する。2021年GRAPE SHIP株式会社を設立し、醸造所が完成。自社醸造開始。