ワイン
ロゼワイン
「朱」
(SHU vin 2020)
マスカット・オブ・アレキサンドリア 70%
シラー 30%

味わい

色調は黄みがかった朱色。香りはバラやアセロラの中に、マスカット特有の香りや甘さを連想させる果実味が主体。そこに完熟した苺などのベリー類、ほんのわずかにシナモンのようなスパイス感が加わります。余韻にオレンジの皮、泡が抜け温度帯があがってもお楽しみいただけます。

醸造法

ぶどうを丸ごとタンクに入れ、14日間マセラシオン。タンクから葡萄を取り出し圧搾。ジュースをバルククーラーに移し、低温で発酵させた物と3日間マセラシオン、3日間ピジャージュしてプレスし発酵させた「シラー」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」をアッサンブラ―ジュして瓶詰め。清澄剤・フィルター不使用。亜硫酸( 二酸化硫黄) 完全無添加。
※瓶の底に溜まっているのは澱です。 ※マセラシオンとは、ぶどうを漬け込んでワインを醸造することを意味します。 ※ピジャージュとは、ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせることを意味します。 ※アッサンブラ― ジュとは、異なるワインを混ぜることを意味します。

ぶどうのこと

2020年。醸造所の建築にとりかかり、ワインの醸造にますます力を注いでいこうと決心しました。そのとき、 ある一人の生産者が協力を申し出てくれました。その人はこのために有機農業に切り替えてマスカット・オブ・アレキサン ドリアを育ててくれたのです。この出会いがなければ、「朱(SHU)」は生まれませんでした。どんなに感謝してもしきれない想いが詰まっています。僕とその人が育てた倉敷市船穂町のぶどうから生まれたロゼワイン。今年の夏は暑く乾燥していたため、ぶどうの成熟も良く、最高のワインができました。

目標

このロゼワイン「朱(SHU)」は、あるワインを目標に作りました。ナチュールワインの醸造家で、その名を広く知られる大岡弘武さん。私は大岡さんがフランスで作っていたワイン「LE CANON ロゼプリムール」が大好きで、マスカット作りをはじめました。「LE CANON ロゼプリムール」のようなワインを作ること、作り続けることの第一歩が、この「朱(SHU)」から始まるのです。

名前のこと

マスカット・オブ・アレキサンドリアに赤ワイン用のぶどう「シラー」を足すことで生まれた、このロゼワインにふさわしい名前は何なのか。悩みに悩んだ末に出てきたのが、この名前「朱(SHU)」でした。漢字一文字の名前のワインは、少々珍しいかもしれません。でも、日本で育てたぶどうから生まれた日本のワインだからこそ、漢字でそのイメージを表現できればとずっと考えていました。私が作ったこのワインが、いつか海を越えて様々な国の人々に味わってもらえたとき、「朱(SHU)」という名前から日本のことを思い浮かべてもらいたいと思っています。

ラベルのこと

ラベルのデザインは、私が生まれ育った倉敷市の港町、児島から見える朝日の光景です。デザインは、アートスペース油亀さんにお願いしました。偶然にも私の小中学校の同級生がここで働いていたことがきっかけで、このデザインは誕生しました。同級生は、この光景が見える児島の港(児島駅東口側の港)でよく朝日を見ていたそうです。今回、ワインラベルの制作にあたり、ロゼワインの色を見てまっさきに思い浮かべたのが、瀬戸内海の島々の向こうから昇る朝日だったと教えてくれました。また、この港は私にとっても思い出深い場所でした。船乗りをしていた私の父は、毎日ここから出航していたのです。亡き父がこれから船出する僕を導いてくれる気がして、満場一致でこのラベルになりました。