ワイン
ロゼワイン
「朱2021」
(SHU vin 2021)
内容量 750ml
アルコール分 8.5%
マスカット・オブ・アレキサンドリア 70%
シラー 20%
グルナッシュ 10%
日本ワイン

寿ことほぎの日に
みやびやかな果実酒を

GRAPE SHIP初の自社醸造ロット
岡山県倉敷市産ナチュラルワイン

味わい

抜栓すると白い花やイチジク、温度が上がって来るといちごやさくらんぼの赤い果実の香り。徐々にマスカット・オブ・アレキサンドリアの存在感が増して来ます。澱(おり)が混ざってくると柑橘系の苦みが加わり、異なる味わいをお楽しみいただけます。今年は発泡が淡く、時間の経過にともなう変化も控えめです。わずかな泡と優しい酸でどんな料理とも合わせやすく、春まで待てばワインも馴染み、さらに美味しくなってきます。じっくりと堪能出来ることと思います。

醸造法

ぶどうを丸ごとタンクに入れ、14日間マセラシオン。後に3日間ピジャージュ。タンクからぶどうを取り出し圧搾。ジュースを樽に移し低温で発酵させた「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「シラー」のぶどうをそのまま搾汁し、樽で発酵させた「グルナッシュ」をアッサンブラージュして瓶詰め。清澄剤・フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。今年のロットは、発酵が終わりかけの状態で瓶詰めをしました。グラスに注ぐことで微弱の炭酸ガスが口の中で柔らかく静かに弾け、まるで湖面に広がる波紋のような余韻を感じます。淡い淡い炭酸の残響が印象的なロゼワインになりました。
※瓶の底に溜まっているのは澱です。 ※マセラシオン=ぶどうを漬け込んでワインを醸造すること。 ※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。 ※アッサンブラージュ=異なるワインをまぜること。

ぶどうのこと

マスカット・オブ・アレキサンドリアをはじめ、ぶどうの産地、倉敷市船穂(ふなお)町で有機農法で育てたぶどうだけを使用しています。2021年にはついに念願だった醸造所が完成しました。いよいよ自社でのワイン作りに取り掛かろうとした矢先の8月。予想だにしていなかった連日の雨。突発的な豪雨にも悩まされました。順調にすくすくと成長していたぶどうたちが、この雨を境にみるみるうちに割れてしまい早い収穫を余儀なくされました。あの時、もう少し晴れの日があればと何度も思いました。しかし、雨にも負けずに懸命に育ってくれたぶどうたちを目にして、くよくよしていても仕方がない。自分たちができる最善を尽くしてワインを作ろう。そんな想いのもとに生まれたのが、今回の「朱 2021」です。優美で穏やか、雅やかさを湛えた仕上がりの中に、どんな状況にも屈することがない「芯」を秘めたワインになりました。逆境でも決してあきらめずに、自分たちのワイン作りに取り組んでいきたいという想いを再認識した、思い入れのあるロットです。

名前のこと

マスカット・オブ・アレキサンドリアに赤ワイン用のぶどう「シラー」を足すことで生まれた、このロゼワインにふさわしい名前は何なのか。悩みに悩んだ末に出てきたのが、この名前「朱」でした。漢字一文字の名前のワインは、少々珍しいかもしれません。でも、日本で育てたぶどうから生まれた日本のワインだからこそ、漢字でそのイメージを表現できればとずっと考えていました。朱色は不老長寿や魔を払う色として、神社仏閣や宮殿に使われてきました。このワインを手にとってくださった方への「健やかな時間を過ごして欲しい」という願いも託しています。いつか海を越えて様々な国の人々に味わってもらえたとき、「朱」という名前から日本のことを思い浮かべてもらいたいと思っています。

ワインラベルのこと

ラベルのデザインは、私が生まれ育った倉敷市の港町、児島から見える朝日の光景です。デザインは、アートスペース油亀さんにお願いしました。偶然にも私の小中学校の同級生がここで働いていたことがきっかけで、このデザインは誕生しました。同級生は、この光景が見える児島の港(児島駅東口側の港)でよく朝日を見ていたそうです。今回、ワインラベルの制作にあたり、ロゼワインの色を見てまっ先に思い浮かべたのが、瀬戸内海の島々の向こうから昇る朝日だったと教えてくれました。また、この港は私にとっても思い出深い場所です。船乗りをしていた私の父は、毎日ここから出航していたのです。「GRAPE SHIP」の仲間とワイン作りの旅へと出航した私を導いてくれる気がして、このラベルをみると果てしない航海への勇気が湧いてきます。新たな年には、新しいことに挑戦する方も多いでしょう。門出や出発を寿(ことほ)ぐ際にぜひ飲んでいただければ嬉しいです。