アルコール分 8%
マスカット・オブ・アレキサンドリア 76%
シラー 24%
日本ワイン・発泡性
味わい
色調はルビーのような色合い。バラやアセロラ、マスカットやベリーの果実の香りが広がり、口に含むとザクロやイチジクのような味わいが感じられます。例年よりも発泡が強く、抜栓時はよりドライな口当たりが楽しめます。時間の経過とともに香りがさらに豊かになり、心地良い酸味と果実の味わいがじっくりと堪能できるワインに仕上がりました。
醸造法
マスカット・オブ・アレキサンドリアを房ごとタンクに入れ、約2週間マセラシオン(ぶどうの皮や種、果肉を果汁に浸して、色や味を引き出す工程)。1日ピジャージュ(発酵途中に足や櫂で攪拌し、ぶどうの成分を抽出すること)ののち搾汁。シラーのうち、8月収穫分は収穫後すぐに搾汁しステンレスタンクにて熟成。9月収穫分は全除梗と全房で分け、全除梗したシラーはホーロータンクで2週間醸し搾汁。全房収穫したシラーは4日間陰干しの後、房ごとステンレスタンクで約2週間マセラシオンし搾汁。発酵の終わりごろにアッサンブラージュ(異なるワインをまぜること)し、マスカット・オブ・アレキサンドリアのジュースを加えて瓶詰め、瓶内二次発酵。清澄剤・フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。
※瓶の底に溜まっているのは澱です。
※マセラシオン=葡萄を漬け込んでワインを醸造すること。
※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。
※アッサンブラージュ=異なるワインをまぜること。
ぶどうのこと
ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたマスカット・オブ・アレキサンドリア、シラーを使用しています。例年に比べ厳しい暑さが続き、ぶどうが痛む前に収穫を小分けにして行う必要があったため、マスカット・オブ・アレキサンドリアは9月中旬、シラーは8月下旬から9月中旬にかけて収穫を行いました。
ワインラベルのこと
ラベルのデザインは、私が生まれ育った倉敷市の港町、児島から見える朝日の光景です。デザインは、アートスペース油亀さんにお願いしました。偶然にも私の小中学校の同級生がここで働いていたことがきっかけで、このデザインは誕生しました。同級生は、この光景が見える児島の港(児島駅東口側の港)でよく朝日を見ていたそうです。今回、ワインラベルの制作にあたり、ロゼワインの色を見てまっ先に思い浮かべたのが、瀬戸内海の島々の向こうから昇る朝日だったと教えてくれました。また、この港は私にとっても思い出深い場所です。船乗りをしていた私の父は、毎日ここから出航していたのです。「GRAPE SHIP」の仲間とワイン作りの旅へと出航した私を導いてくれる気がして、このラベルをみると果てしない航海への勇気が湧いてきます。新たな年には、新しいことに挑戦する方も多いでしょう。門出や出発を寿ぐ際にぜひ飲んでいただければ嬉しいです。
名前のこと
マスカット・オブ・アレキサンドリアに赤ワイン用の葡萄「シラー」を足すことで生まれた、このロゼワインにふさわしい名前は何なのか。悩みに悩んだ末に出てきたのが、この名前「朱」でした。漢字一文字の名前のワインは、少々珍しいかもしれません。でも、日本で育てた葡萄から生まれた日本のワインだからこそ、漢字でそのイメージを表現できればとずっと考えていました。朱色は不老長寿や魔を払う色として、神社仏閣や宮殿に使われてきました。このワインを手にとってくださった方への「健やかな時間を過ごして欲しい」という願いも託しています。いつか海を越えて様々な国の人々に味わってもらえたとき、「朱」という名前から日本のことを思い浮かべてもらいたいと思っています。
ワインのコンセプト
朝日は夕日。夕日は朝日。私達は同じ太陽を見ています。たとえどんなに遠く離れていても、同じ太陽の光の中で生きています。それは当たり前のことだけれど、その当たり前の日々を過ごせることは、奇跡なのかもしれません。このワインのラベルは、瀬戸内海の島々の合間をぬって昇る太陽がモチーフです。でも一方で、この太陽はどこかの国の夕日であり、またあるいは、お昼時の午後の太陽でもある。世界中のあらゆる場所で、様々な姿を見せる太陽をモチーフにしているからこそ、一年の始まりにぜひ味わっていただけたらと願っています。