ワイン
滋味なる葡萄の恵み、果実の夢。
「颯 2020」
内容量 750ml
アルコール分 10.0%
白ワイン用ぶどう4品種をブレンド
※今回のぶどうは混載輸送のため、それぞれの配合割合は省除
日本ワイン

味わい

色調は澄んだ黄金色。芳香なマスカットの香りの中に爽やかなハーブやトロピカルフルーツ、樽由来のスパイス感があります。口に含むと甘い香りを残しつつも柑橘の皮のような心地よい苦みが広がり、春の山菜や海の幸などと相性が良く、この季節にぴったりなワインです。

醸造法

今回の「颯2020」は、 恩師である醸造家、大岡弘武氏のワイナリー「グランドコリーヌジャポン」様にご協力いただき、委託醸造しました。マスカット・オブ・アレキサンドリアを琺瑯タンクで3週間マセラシオン、3日間ピジャージュ。その後、葡萄を取り出し搾汁・熟成。マルサンヌ、ソービニヨンブラン、シュナンブランを収穫後プレス。9か月間、樽発酵・熟成。のちにブレンドして瓶詰め。
※マセラシオン=ぶどうを漬け込んでワインを醸造すること。 ※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。

ぶどうのこと

ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたマスカット・オブ・アレキサンドリア、マルサンヌ、ソーヴィニヨンブラン、シュナンブランを使用しています。2020年9月に収穫したものです。岡山の大地で栽培した今回の葡萄は、2020年の天候の良さから味わいが凝縮した状態で収穫することができたため、葡萄の香りと旨味をあますところなく宿すことに成功しました。

ワインラベルのこと

風の吹く様を意味する漢字を名前に採用したこのワイン。文字の意味のまま、春から初夏に吹き抜ける、心地よい風を感じる爽やかな仕上がりとなりました。ラベルデザインは、アートスペース油亀さんに依頼。風の気流のなかで翼を広げ、空を駆けぬけていく鳥は、ぶどうの枝をくわえています。様々な場所や地域。ひいては空を超えて海を超えて、世界各国、異国の地へ。岡山県で育まれたぶどうから生まれたワイン「颯」が、この鳥のようにどこまでも羽ばたいていく。そんな願いと未来への展望が込められています。

船穂の大地、太陽の恵み

私達は、岡山県倉敷市の船穂町鶏尾地区で、マスカット・オブ・アレキサンドリアという品種のぶどうを栽培しています。土はさらさらでもなく、かといってネバネバもしていない。ちょうどその中間のほろほろ、砂じょう土と呼ばれる水はけの良い土質が特徴です。決して収穫量は多くはありませんが、実の中に甘みと香りがぎゅぎゅっと凝縮された美味しいぶどうが育ちます。「晴れの国」とも言われるほどに、雨が少ない岡山県。日照時間とその光量も日本随一。食用ぶどうの産地としてはこれ以上の良い土地はなかなかありません。しかし、近年には栽培を断念する農家が増加し、放棄されたぶどうの温室が目立つようになりました。せっかくの素晴らしい場所と設備をこのまま放っておく手はありません。そこで、使わなくなった温室を借り受けて、ワイン用ぶどうの有機栽培を開始。2021年には醸造所も完成しました。瀬戸内海をのぞむ、風通しの良い、南向きの丘で育まれたぶどうは天下一品。この大地と瀬戸内の太陽の恵みがあるからこそ、他に類をみないぶどうが生まれるのです。

GRAPE SHIPワインを
美味しく味わうために

醸造では、ワイン本来の香りや味わいを最大限に引き出すため、「無濾過」で瓶詰めをしています。そのためボトルの中には大小の澱や濁りが含まれます。これらはワインに旨味が詰まっていることの印であり「美味しさが見える」状態であると言えます。大きい澱が多く見られるワインもございますが、すべてぶどう由来の成分や酵母が固着したもので、ご飲用いただいても問題はございません。気になる場合は瓶底に静かに沈めて、澱が入らないようにゆっくりとグラスにワインを注ぎお楽しみください。
GRAPE SHIPのナチュラルワインは、製造から販売まで温度管理しております。お買い上げ後は気温の変化などによる品質の劣化を防ぐために、14度以下の冷暗所で、ボトルを立てたまま保管するのがおすすめです。ワインセラーがないご家庭では、冷蔵庫の野菜室で保管すると、美味しく味わえる期間をより長く保つことができます。

松井一智
/ Kazunori Matsui

GRAPE SHIP株式会社代表、ヴィニュロン(ぶどう栽培兼ワイン醸造農家)。関西でフレンチシェフとして働いている際に、ワインと料理の研究のため渡仏。現地でナチュラルワインの世界を探求、感銘を受ける。帰国後、醸造家になることを目指し、地元岡山県倉敷市船穂町で130年の歴史を誇るマスカット・オブ・アレキサンドリアの生産を学ぶ。2012年新規就農。2017年ワイン醸造家の大岡弘武さんのワイナリー立ち上げに従事。同年、ワイン用のマスカット・オブ・アレキサンドリアの収穫に成功。2019年初めてのナチュラルワイン「M」が完成する。2021年GRAPE SHIP株式会社を設立し、醸造所が完成。自社醸造開始。