ワイン
「颯 2023」
海を眼前に、
切り立つ岩場を駆けぬける。
風を起こすその鳥は、
今日も悠々と翼を広げて、
空となる。
いつか、あなたに届けに行くだろう。
滋味なる葡萄の恵み、果実の夢を。
内容量 750ml
アルコール分 9.0%
マスカット・オブ・アレキサンドリア 48%
マルサンヌ 28%
ソービニヨンブラン 14%
シュナンブラン 10%
日本ワイン

味わい

色調はレモンイエロー。レモンやグレープフルーツなどの柑橘、ミントなどのフレッシュハーブの香りの中に、花梨、洋梨、バター、バニラなどが感じられます。爽やかな酸と心地よい苦みの余韻が続き、春の食材にぴったりなワインとなりました。

ぶどうのこと

ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたマスカット・オブ・アレキサンドリア、マルサンヌ、ソーヴィニヨンブラン、シュナンブランを使用しています。2023年は梅雨の期間が長かったため病果が多くなり、収穫量が2022年と比べ少なくなった年でした。病果を外すことで全体の収穫量が減りましたが、ぶどう一つ一つに凝縮感が生まれ、初秋は天候に恵まれたため、結果的に良い年となりました。このワインは今後、私たちのチャレンジワインとしてリリースしていく予定です。毎年違った味をお届けしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。ワインを通じてマスカット・オブ・アレキサンドリアの可能性をもっと広めていきたい、多くの人に知ってほしい。そんな想いをこめてワイン造りに今後も取り組んでまいります。

醸造法

マルサンヌ・ソーヴィニヨンブラン・シュナンブランは収穫後搾汁し混醸で樽発酵・樽熟成。マスカット・オブ・アレキサンドリアは全房でステンレスタンクにて短い期間醸し搾汁のち樽発酵・樽熟成。2024年春に2つをブレンドして瓶詰めしました。清澄剤・フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。

ワインラベルのこと

風の吹く様を意味する漢字を名前に採用したこのワイン。文字の意味のまま、春から初夏に吹き抜ける、心地よい風を感じる爽やかな仕上がりとなりました。ラベルデザインは、アートスペース油亀さんに依頼。風の気流のなかで翼を広げ、空を駆けぬけていく鳥は、ぶどうの枝をくわえています。様々な場所や地域。ひいては空を超えて海を超えて、世界各国、異国の地へ。岡山県で育まれたぶどうから生まれたワイン「颯」が、この鳥のようにどこまでも羽ばたいていく。そんな願いと未来への展望が込められています。

船穂の大地、太陽の恵み

私達は、岡山県倉敷市の船穂町鶏尾地区で、マスカット・オブ・アレキサンドリアという品種のぶどうを栽培しています。土はさらさらでもなく、かといってネバネバもしていない。ちょうどその中間のほろほろ、砂じょう土と呼ばれる水はけの良い土質が特徴です。決して収穫量は多くはありませんが、実の中に甘みと香りがぎゅぎゅっと凝縮された美味しいぶどうが育ちます。「晴れの国」とも言われるほどに、雨が少ない岡山県。日照時間とその光量も日本随一。食用ぶどうの産地としてはこれ以上の良い土地はなかなかありません。しかし、近年には栽培を断念する農家が増加し、放棄されたぶどうの温室が目立つようになりました。せっかくの素晴らしい場所と設備をこのまま放っておく手はありません。そこで、使わなくなった温室を借り受けて、ワイン用ぶどうの有機栽培を開始。2021年には醸造所も完成しました。瀬戸内海をのぞむ、風通しの良い、南向きの丘で育まれたぶどうは天下一品。この大地と瀬戸内の太陽の恵みがあるからこそ、他に類をみないぶどうが生まれるのです。

GRAPE SHIPワインを
美味しく味わうために

醸造では、ワイン本来の香りや味わいを最大限に引き出すため、「無濾過」で瓶詰めをしています。そのためボトルの中には大小の澱や濁りが含まれます。これらはワインに旨味が詰まっていることの印であり「美味しさが見える」状態であると言えます。大きい澱が多く見られるワインもございますが、すべてぶどう由来の成分や酵母が固着したもので、ご飲用いただいても問題はございません。気になる場合は瓶底に静かに沈めて、澱が入らないようにゆっくりとグラスにワインを注ぎお楽しみください。
GRAPE SHIPのナチュラルワインは、製造から販売まで温度管理しております。お買い上げ後は気温の変化などによる品質の劣化を防ぐために、14度以下の冷暗所で、ボトルを立てたまま保管するのがおすすめです。ワインセラーがないご家庭では、冷蔵庫の野菜室で保管すると、美味しく味わえる期間をより長く保つことができます。